三重県鈴鹿市、度会郡にある社会福祉法人「伊勢亀鈴会(いせきれいかい)」は、障がいのある方のお仕事をサポートする活動しています。

働く人々

以前からは考えられないほどの明るさ。毎日がとても楽しそうです!

いせきれい会「八野就労支援センター」をご利用いただいている亀山市在住の若林充さま。電気部品の組立や、タオルづくりを行っていただいています。今回は、お母さまの若林紀美子さまにお話を伺いました。


きれい会で働くようになってから、笑顔が増えました!

 いせきれい会の「八野就労支援センター」で働くようになってから、毎日帰ってくると、すごく嬉しそうに仕事の様子や友だちの話、職員さんから聞いたおもしろい話などを、満面の笑顔で聞かせてくれるようになりました。

 仕事に大きなやりがいを感じているようで、「僕がおらんと作業がちゃんと進まん」と、よほど体調が悪いとき以外は、絶対に「休みたい」と言いません。利用者の方々とのコミュニケーションもバッチリで、大きな声で冗談を言いあっているようです(笑)。以前の充からすると、考えられないくらいの明るさ。毎日がとても楽しそうです。

 こんな充の姿なんて、想像もつかなかったことです。ここに至るまでの道のりは、決して平坦ではなかったのです。

医師の宣告に、頭は真っ白に…

 早産だった充は、体重2,450gの未熟児。医師より「障がいが残る」と宣告されました。病名は「脳性麻痺」。3歳になっても体重9kg(1才で10kg程度が平均)で、言語麻痺もあります。さらに、「一生歩行は困難」と言われました。度重なる手術と、リハビリ、通院を繰り返す毎日でした。

 6才になると、障がいを持つ子どものための「特別支援学校」の小学部に入学。しかし充は、人とのコミュニケーションを極度に恐れていて、5年生になっても、迎えに行くといつも泣いているような状態でした。


奇跡は起こった!

 医師に「一生歩けない」と言われたものの、私も充も、「いつかきっと…」と信じて、歩く練習・リハビリをやめませんでした。

 その地道な努力が実り、特別支援学校の中学部を卒業するとき、ついに奇跡が起こりました。装具や歩行器なしで、ひとりで歩けるようになったのです! どれほど嬉しかったことでしょうか。

 高等部へ入学してからは、ひとりで通学できるよう、バスの乗り降りや、買い物の仕方などを教えていきました。

きれい会の熱意、利用者の方の明るさに感動!

 高等部も卒業が近くなると、いよいよ就職を考えなくてはいけません。鈴鹿市・亀山市・津市・四日市市などにある、さまざまな福祉施設・障がい者授産施設を見学しました。もちろん「八野就労支援センター」でも体験実習しました。

 ここで働く利用者の方は、みなさんとても熱心で、作業が手早い。あまりにも上手なため、最初は「充には無理なんじゃないだろうか」と思ってしまったほどです。

 しかし、よく聞いてみると、充よりももっと重い障がいを持っている方もたくさんいらっしゃいます。障がいの程度にあわせて、いろんな仕事が用意されているのです。

 安全面でも、機械に手を挟まないように特別な工夫がされているなど、徹底して配慮されていました。

 なにより、職員の方がやさしく親切で、その言葉からは、福祉への大きな熱意が伝わってきます。

 利用者の方は、みなさん表情が明るく、和気あいあいと、とってもなごやかな雰囲気! やはり、どう考えてもここしかないと、利用させていただくことを決めたのです。


今や、私のいちばんの相談相手

 充は、最初は戸惑いもあったようですが、職員さんのやさしいはげましのおかげで、すぐに自分なりに仕事をこなしていけるようになりました。

 普段の生活のなかでも、言語障がいがあっても恥ずかしがらず、きちんと話ができるようになりました。

 そして、「お母さんえらいやろで、僕がしといたったよ。早く寝な」と、自ら進んで家事も手伝ってくれるようにも。人間にとってなにより大切な「人への思いやり、やさしさ」。そうした心が大きく育ってくれたのです。

 今や充は、私のいちばんの相談相手。悩みがあると、自然と充に相談してしまうんです(笑)。

 「そんなの気にすることない。放っといたらいいよ」

 「大丈夫やよ、お母さん。僕がおるから」

 そんな「いたわりの心」が芽生えたことを、ほんとうに嬉しく思っています。


「もっとやりたい」。その意欲を伸ばしてあげたい!

 充は今、意欲に燃え、県庁のパソコン講習に通っています。きれい会で自信をつけていただいたおかげで、「もっと伸びたい」という気持ちが沸きあがってきたのです。このやる気を大切にしてあげたいと思っています。

 福祉施設・障がい者授産施設として、いせきれい会は最高の環境です。ここで働くという経験が、充に自信を与えてくれ、人へのやさしさを育ててくれました。心から感謝しています。

 障がい児を持たれたお母さん。最初の一歩を乗り越えるまでには、何年もの時間が必要です。でも、かならず乗り越えられます!

 私もまだまだ勉強中です。きれい会で、ともにがんばっていきましょう!


いせきれい会は、障がいのある方のお仕事をサポート(リハビリや職業訓練など)し、社会参加を実現している社会福祉施設です。ここでは、一人ひとりの個性や能力に合わせて自立生活するための作業や訓練を行っています。



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